プラスチック
リサイクルとは

プラスチックリサイクルの概要

廃プラスチックは一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。
一般廃棄物は、家庭、飲食店、事務所などから出る廃棄物のこと、
産業廃棄物は、工場など事業活動から排出される指定廃棄物のことです。
2022年の国内の廃プラスチック排出量は、823万t。
このうち、一般系が424万t、産業系は399万tでした。
廃プラスチックの排出量と有効利用量はここ数年横ばいの傾向にあります。
2022年のリサイクル率は87%でした。
ここでプラスチックのリサイクル方法は、
「ケミカルリサイクル」、「マテリアルリサイクル」、「サーマルリサイクル」
の3つに分類することが可能です。
以下では、3つのリサイクル方法について解説します。

プラスチック廃棄物
リサイクルボトル
廃プラスチック

ケミカルリサイクル

廃プラスチックを化学的に分解するなどして、化学原料に再生する手法です。
ケミカルリサイクルには以下のような方法があります。

コークス炉化学原料化法

プラスチックを熱分解し、炭化水素油・ガス・コークスといったマルチユースな原料にします。
これらはそれぞれプラスチック製品やカーボン製品、鉄鋼製品等の高機能製品に生まれ変わります。

高炉原料化法

製鉄所で鉄を作る過程で還元剤として使用されます。

ガス化法

プラスチックを熱で一酸化炭素や水素などのガスに分解して化学原料にします。

ケミカルリサイクル

マテリアルリサイクル

廃プラスチックを熱で溶かし、プラスチック製品に再生する手法です。
「材料リサイクル」とも言われます。
マテリアルリサイクルでは、パレットや車止め等が作られます。

マテリアルリサイクル

サーマルリサイクル

廃プラスチックを燃やした時に発生する熱を回収する手法です。
焼却時の熱や蒸気で発電を行います。

サーマルリサイクル

コークス炉化学原料化法とは

コークス炉とは、製鉄プロセスにおける一部であり、原料を蒸し焼きにしてコークスを製造する設備です。
コークス炉化学原料化法は、このコークス炉に入れる原料の一部にプラスチックを入れる手法で、プラスチックの40%が炭化水素油、40%が水素を多く含むガス、20%が鉄鋼製品等の高機能製品に生まれ変わります。

加熱の様子
抽出物の比率

コークス炉化学原料化法で生まれ変わったプラスチックの行方

コークス炉で生まれ変わったプラスチックが、最終的にどのような製品になっているか。以下で製品例について説明します。

  • 炭化水素油から製造される製品例

    プラスチック製品

    プラスチック製品

    カーボン製品

    カーボン製品

    炭素材料

    炭素材料

  • ガス・コークスを活用して製造された製品例

    鉄鋼製品・自動車・家電

    鉄鋼製品・自動車・家電

    鉄鋼スラグ・セメント・ブルーカーボン系

    鉄鋼スラグ・セメント・ブルーカーボン系